シナイモツゴ郷の会NPO法人設立記念シンポジュウム

「生態系保全とブラックバス対策」

開催のお知らせ

                                        2004年8月24日

                                           シンポジュウム実行委員会

60年ぶりに再発見された模式産地のシナイモツゴを守るため、2002年に鹿島台町の有志が中心となって「シナイモツゴ郷の会」を結成しました。それ以来、郷の会はシナイモツゴの人工繁殖・生息池の拡大やブラックバス駆除など水域の生態系保全と復元に努めてまいりました。郷の会は,生態系保全を行政と協働で取り組むべき課題として認識し、今後はさらに先駆的な活動を広範囲に展開するためNPO法人として再出発することになりました。これを記念してシナイモツゴの保護を連携して推進している鹿島台町と共催でシンポジュウムを開催しますのでご参集下さい。

当地では1990年代から伊豆沼など天然湖沼、県内に6000個も存在するため池や大小の河川の多くにブラックバスが侵入・繁殖し、淡水域の生態系は崩壊の危機にさらされています。バス駆除はその必要性が強調されてきたにもかかわらず、バス生息域の大半を占める平野部の透明度の低い水域においては、一部を除き有効策が無かったためバス駆除による生態系復元は困難でした。当地では、地元の研究者がブラックバスの影響を詳細に再検討すると同時にNPOとボランテイアが根本的な解決を目指した大胆な活動を展開しています。この結果、全国に先駆けて多くの成果が得られ、バスの繁殖抑制にも確かな手応えを感じています。今回は、水域生態系保全の最緊急課題であるブラックバスなど移入種の影響を鋭くえぐり出すと共に、その解決方法を提示し、生態系復元の戦略と戦術を参加者と共に議論したいと考えています。

まず、外来・移入種対策で最先端の研究に携わっておられる細谷和海氏(近畿大学)、中井克樹氏(琵琶湖博物館)、高田啓介氏(信州大学)に生物学的な立場から種多様性を維持するための戦略を語っていただきます。また、ブラックバス問題の最前線である宮城県において、さまざまな市民レベルの取り組みが始まっていますので、それぞれの分野のパイオニアに画期的な新技術や仕組みを、詳細に紹介していただきます。

膨大な予算を投入して最先端の土木工法を駆使しても、ブラックバスなど強力な捕食種が繁殖を続けている限り、失われた生態系を復元することは困難です。生態系復元が叫ばれる中、ブラックバス駆除は最も緊急に取り組むべき課題です。これまで透明度の低い水域におけるブラックバス駆除は困難でしたが、新しく開発し実施されている新技術と体制により明るい未来が見えてきました。多くの方々が本シンポジュウムで根本解決を目指した熱い議論に参加していただくことを願っております。会員一同、皆様とシナイモツゴの模式産地でお会いできることを楽しみにしております。

なお、夜の部では食事をしながらの情報交換会(スライド放映会1題10分程度)を開催しますので、発表希望の方はお申し出下さい。

本シンポジュウムは平成16年度みやぎNPO夢ファンドの助成を受けております。

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